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ツバを吐きかけられた男

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さて、今日は、唾液の話である。

唾液に関するコペルニクス的転回だ。皆さんが持つ「ツバ」に対する認識が、がらっと変わること間違いなしである。心して読んでいただきたい。

よく映画などで、ヒロインが悪党に向かってツバを吐きかけるシーンがある。相手を侮辱する行為であり、悪党は「後悔するぜ」などと憎々しげに言いながら、ハンカチで自分の顔をぬぐうのだ。

「うひょお~」などと喜んで、「もっとかけて」などというケースはほとんどない。あったとしたら、それは変態キャラクターの設定なのである。あくまで例外だ。

このケースを見ても、唾液というものは侮辱の象徴であり、悪意の具現化であることは明らかだ。日本では昔から「ツバを吐くべからず」という言葉もあるように、唾液というものはよろしくない存在なのだ。

「しかし、ちょっと待てよ」と私は考えた。

今、私の口にあるこの液体は、まさしく唾液そのものではないか。それを常に口の中に感じ、時々、ゴクリと飲み込んでいる。

他人のツバは汚くて、自分のツバは汚くないとでも言うのだろうか。

いやいやいや、成分的には同じはずだ。唾液とは、水や電解質、粘液、様々な種類の酵素からなる液体であり、私の唾液だけ主成分が薔薇の花びらから抽出されたエキスなどということはあり得ない。

それならば、他人からツバを吐かれても平気ではないかっ。いつも自分が飲み込んでいるツバと、同じ成分なんだからっ。

これこそ、コペルニクス的転回である。アルキメデスなら「ユーレカッ」と高らかに叫んで風呂から飛び出し、フリチンで街を疾走したことだろう。

皆さんも、これから先、侮蔑の言葉を投げかけながらツバをペッと吐きかけられることがあっても、落ち込む必要などまったくないのだ。「私のツバと同じ成分だからね。ヘーキヘーキ」とすました顔をしていればいいのだ。

そして、もし私が美女に「この最低ヤロウ」とツバを顔に吐きかけられ、それを指でぬぐってペロリとなめながら「うひょお~、もっとかけて」と言ったとしても、それは決して変態だからではないということを、今、ここでお伝えしておきたいのである。

私は、そんな性癖の持ち主では断じてない。

 

 

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